循環器診療 ~動物循環器認定医として~

近年は飼っている動物も長生きとなり、高齢になると人間同様に循環器の病気を患っていることも多くなりました。

循環器とは?

血液は全身の血管を巡っていますがその原動力、ポンプの役割をするのが心臓です。
心臓は生きている間ずっと、24時間365日動き続けています。血液はこの心臓の働きで身体の隅々にまで循環して、全ての臓器に酸素や栄養を運びます。
この血液の流れを循環といい、心臓をはじめ関連臓器を循環器と言います。
すなわち、心臓・腎臓・血管・リンパ管などを循環器と呼びます。

循環器の病気とはどんなもの?

血液は血管を通って全身を巡っています。血液を送り出す臓器は心臓ですが、その循環する血液量を調整するのは腎臓です。
したがって循環器の病気とは心臓・腎臓・血管・リンパ管の病気を指します。
心臓がスムーズに血液を送り出せなくなる病気としては、心臓病・不整脈があります。
血管に問題がありスムーズに血液を流せない病気としては高血圧・脂質異常などがあります。
腎臓が全身の血液量を調節できなくなる病気としては、慢性腎臓病などが挙げられます。

循環器認定医としてどんな事をするの?

循環器の病気の多くは慢性、つまり残念ながら治る病気では無く、病気になったら長いお付き合いをしないといけないものです。
ときに急に症状が悪化した場合には集中治療をいたします。
一方で、ずっと調子が良いけれども同じお薬を飲み続けている場合には、内容を見直して調整いたします。
このように、循環器認定医として定期的に、細かな診断と治療を目指しております。
また、手術が必要な心臓病の場合には、高度な設備と技術が必要なため、信頼を置く二次病院へご紹介いたします。

循環器の病気になるとどんな症状が出るのでしょう

  • 咳が出る
  • 最近疲れやすい
  • やせてきた
  • 失神する(倒れる)
  • 呼吸が荒い
  • 舌の色が悪い
  • 心雑音を指摘された

エコーでみた心臓の画像です。
心臓内の弁がちゃんと閉じないために心臓内の血流に逆流が生じています。
エコーでその逆流の速度を測っています。

高齢でこれまでとても元気であった猫が突然昼間でも瞳孔が開いて黒目になり物にぶつかるときは、典型的な高血圧性網膜症です。
高血圧により眼球内の細い血管が壊れて目が見えなくなり光を感じなくなり瞳孔が開きっぱなしになります。
この18歳の猫は、高血圧により視力を失いました。

こんな検査をいたします

どの検査を実施するかは、問診と身体検査、前回の検査結果、内服薬の状況などにより変わります。
高齢動物の循環器病はほとんどが慢性、つまり病気と長いお付き合いをしなければなりません。
病気が進行すれば、毎日たくさんのお薬を飲まざるを得ない場合もあります。
飲ませ方や費用も、飼い主さんと一緒に考えて行きたいと思います。
もちろん、漢方薬の併用も考慮いたします。

心電図です。
心拍数が少なすぎて失神する犬に薬物を投与して心拍数がふえるかどうかを確認しています。

エコーという機械で心臓内部を詳しく観察します。
当院のエコーは、持ち運びできる小型のものですので往診での検査も可能です。

動物の血圧測定は、しっぽや前足にカフを巻いて測定するのが一般的です。すぐに測定できます。